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エストニアの食

エストニアの食文化

エストニアの食文化を一言で表すと「多様な歴史に影響を受けた自然の恵みを活かした食文化」です。それはエストニアが歴史的にドイツ、スウェーデン、旧ソ連など他国の食文化の影響を受けてきたことが大きく関係していると言えます。

バルト海に面したエストニアでは漁業が盛んなこともあり、ニシンやカレイ、ヒラメなどを使った魚料理が多いのが特徴で、周辺国とは異なる独特の料理を味わうことができます。

主食

日本の主食はお米ですが、エストニアは「じゃがいも」と「レイブ(leib)」です。

じゃがいも

北欧のエストニアは、緯度でいうと北海道よりさらに北へ位置するため、気候の影響により米やパンの材料となる小麦の栽培には適しません。そのため、寒冷地でも安定して収穫ができる「じゃがいも」を主食にしています。
じゃがいもの国別の年間生産量(2017年調べ)では、日本は約220万トンで世界30位、エストニアは約9万トンで106位ですが、人口で割ると、エストニアの一人当たりのじゃがいもの年間生産量は日本の約3.5倍になります。
エストニアでは主食のじゃがいを茹でて、メイン料理と一緒に食べることが一般的です。
じゃがいもの主成分であるデンプンは、味がない淡白さが特徴であり、加熱後のほくほくとした崩れやすい食感は様々な料理との相性がよいため、主食として好まれています。

レイブ(ライ麦パン、黒いパン)

レイブはライ麦を使用した黒パンで、エストニアでは国民食として親しまれています。
レイブは焼くと茶色っぽい色に変色するため、小麦粉を使ったパンを白パン(エストニア語ではsai)に対して、ライ麦を使ったパンは黒パン(エストニア語ではleib/レイブ)と呼ばれます。
白パンに比べると、ビタミン、ミネラル、食物繊維など栄養素が多く含まれ、噛み応えがあり、腹持ちが良いのが特徴です。
地域によって肉や魚、ドライフルーツを混ぜるなどバリエーションが豊かで、色々な味のレイブを楽しむことができます。
エストニアでは、家庭でパンをつくることは一般的であり、その作り方はそれぞれの家庭で親から子へと代々受け継がれています。

オーガニック(有機栽培)野菜

国土の22%が自然保護区となっているエストニアは、農業の分野でクリーンな環境づくりへ積極的に取り組んでいます。
エストニアのEUの国別有機農地面積シェア(2017年調べ)は15.6%で、EU加盟国27ヶ国(平均7%)中2位でした。
日本は僅か0.2%(2016年調べ)であることを踏まえると、非常に高い水準と言えます。
EUでは、農薬や抗菌剤の過剰使用が健康への悪影響を及ぼすという度重なる報道によって、消費者がより自然な代替品を求めていることが高い水準を満たす要因になっていると考えられます。
また、有機生産による環境負荷の低減は、EUの一部の消費者の志向と合致しており、有機製品が求められる理由の一つになっています。

乳製品

エストニアには数多くの牧場があり、日本の乳製品に比べて価格が安いため、気軽に乳製品を購入することができます。そのため、料理やお菓子をつくる際は、ミルクやチーズなどの乳製品が多く使われます。
例えば、酵母と乳酸菌で作られるヨーグルトに似たケフィール(ケフィア)や、カッテージチーズの一種コフピーム、サワークリームのようなハプコールなどがよく食べられています。乳製品は、エストニアの食卓に欠かせない食材のひとつになっています。

魚類

バルト海、フィンランド海、リガ湾に面したエストニアは漁業が盛んで、イワシ、サケ、ヒラメ、スズキ、タラなど日本でも馴染みのある魚が水揚げされます。特に、ニシンやウナギはよく漁獲されます。
そのニシンを塩漬けにし、ネギと輪切りにした茹で卵を黒パンの上にのせた「塩漬けニシンのサンドイッチ」は、エスト二アの伝統料理のひとつです。
また、北欧の冷たい海で育ったイワシやサケ、ウナギなどを使ったスープ料理は家庭でよく作られます。

クリスマスの伝統料理

北欧ヨーロッパではクリスマスをとても大事にする文化があり、毎年各国でクリスマーケットが開催されます。
エストニアの首都タリンで開かれるクリスマスマーケットは、「ヨーロッパ最高のクリスマスマーケット2019」で第1位に輝きました。
クリスマスの伝統料理は、豚の頭の煮こごりシュルト、ザワークラウト、ブラッドソーセージ(血のソーセージ)などがあります。
特に豚の血液を材料として加えたブラッドソーセージは、クリスマスの伝統料理の中でも、ポピュラーな食べ物です。
一般的なソーセージと比べ、色は黒っぽく、レバーのようなやわらかい舌触りとねっとりとした食感が特徴で、甘酸っぱいベリー系のソースをつけて食べるのが好まれています。

最後に

エストニアは他国の食文化を柔軟に取り入れながら、独自に多彩な食文化を形成してきました。機会があれば、実際にエストニアを訪れて、その食文化に触れていただきたいと思います。

以上、エストニアの食文化についてお伝えしました。

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